ベートーヴェン●七重奏曲変ホ長調作品20
ベートーヴェン、30才の頃の作品で7つの楽器(クラリネット、ホルン、ファゴット、ヴァイオリン、ヴィオラ、
チェロ、コントラバス)の特長を生かした、美しい旋律にあふれた名曲である。私は、この曲の存在を知り、そ
の名盤として、ウラッハ、バリリ四重奏団員他の演奏があることを知り、どうしても欲しくなった。関西の中古レ
コード店になかったので、東京に買い出しに行くことに決めた。レコード・マップが出て、しばらくした頃である。
まず、お茶の水のハーモニーに行くがなく、2軒目のパパゲーノで外国盤を見つけた。初めての東京遠征では、
他に、エルマン名演集(ヴァンガード)、フルトヴェングラーのリスト前奏曲他(エレクトローラ)等を買ったが、
今でもよく聴く。家に帰ってさっそく、七重奏曲のレコードを聴いてみると、「レコ芸音楽史講座」の解説にあ
る通り、典雅極まる演奏である。やはり、ヴァイオリンのバリリとクラリネットのウラッハが演奏の主役であるが、
各楽器がよく響き、特に第5楽章のホルンの音は、楽しい気分にさせてくれる。終楽章は最もすばらしく、各楽
器が強く自己主張するが、みごとなアンサンブルでまとめあげ、心に残る演奏になっている。