ボロディン●弦楽四重奏曲第2番ニ長調
 
第3楽章のノクターンが非常に美しいため、「ノクターン」と標題を付けることがある、この曲は、ボロディン、

58才の時の作品である。ロシアの大作曲家チャイコフスキーが、登場する前に、5人組(バラキエフ、キュイ、

ボロディン、ムソルグスキー、リムスキー=コルサコフ)が、グリンカの純粋なロシア音楽を作ろうという精神を

引継いで実を結ばせた。バラキエフ、キュイの作品は、演奏されることはほとんどないが、ムソルグスキーの「展

覧会の絵」、「はげ山の一夜」、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」、ボロディンの「中央アジアの平

原にて」等は、よく知られている。ボロディンは、純粋なロシア音楽を意識して作曲したにちがいないが、西はヨ

ーロッパ、東は極東、南は中東・中国に連なる大国で、一口にロシア色といっても限定することは難しい。ボロデ

ィンも父方の祖先がタタール人(ロシア国内のトルコ系住民)であるため、東方的な色彩の強い音楽が多い。チャ

イコフスキーが、そんな様々のロシア音楽のエッセンスを集めて、ロシア音楽と呼ばれる範疇の音楽を完成させた

のは、大きな功績であるといえる。愛聴盤は、ハンガリー四重奏団のレコード。

 

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