ブラームス●弦楽六重奏曲第1番変ロ長調作品18
 
あなたが職場で一人の女性と出会い、家族や趣味のことを気軽に話せる仲になった。彼女は美しく、性格のよい女

性だったので、一所懸命、彼女の気を引こうとするが、彼女はあなたの意志に少しの興味も示さないままに、あな

たから離れてゆき、会社も退社する。あなたは、職場で写した彼女の写真とオルゴールに手紙を添えて送ったが、

彼女からの返事は来なかった。彼女との別れが近くなると、胸に風穴があいたような気になり、あなたは夜中の2

時頃に目が覚め、朝まで眠れない夜が続いた。というのは、目を閉じると、職場で制服を着た彼女の後姿が思い浮

かび、その姿を二度と見ることができないことを思うと悲しくなり、彼女の気をもう一度引くことができないかと

あれこれ考えるからだった。結局、彼女はあなたの元を去り、胸にはぽっかりと穴が空いたままだ。というような

イメージを持つこの曲の第2楽章は、この曲の一番の聴きどころであるが、穏やかな春の日に田園地帯を散歩して

いるような気分になる、第1楽章も私は好きだ。愛聴盤は、カザルス、スターン他による演奏。カザルスの演奏は、

第二楽章を少し控えめな演奏にすることで、他の楽章もバランスよく聴かせてくれる。

 

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