ドヴォルザーク●弦楽四重奏曲第12番へ長調作品96「アメリカ」
新世界交響曲やチェロ協奏曲と並んで有名なドヴォルザークの曲で、美しい旋律に満ちている。また、弦楽四重奏
曲の入門曲と言える。弦楽四重奏曲は、ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1の4つの弦楽器で奏される。交響
曲の父と言われたハイドンは弦楽四重奏曲を67曲残しており、「皇帝」、「日の出」等の名曲がある。ハイドン
以前にも弦楽四重奏曲は作られたが、4楽章で演奏時間が20〜30分のかたちを作ったのはハイドンである。モ
ーツァルトは、そうしたハイドンの手法を継承して、弦楽四重奏曲にすぐれた曲を残している。その後次第に枠に
収まらなくなり、4つの楽章が3つになったり、5つになったり、30分程度では納まりきらない曲が作曲された
りしている。さらにモーツアルトのクラリネット五重奏曲のような、管楽器との共演作品も作曲され始める。ちな
みに、室内楽曲は、独奏を除く各種ソナタと、弦楽四重奏曲を基本とし、ピアノあるいは金管・木管楽器プラス弦
楽器0〜4の演奏形態及びブラームスの弦楽六重奏曲、メンデルスゾーンの八重奏曲等(ピアノプラス複数の管楽
器という形態もある)の曲を言う。「アメリカ」の愛聴盤は、ケッケルト四重奏団のレコード。