フランク●ヴァイオリン・ソナタ イ長調
フランクはフランスの作曲家で、交響曲や鍵盤楽器(ピアノとオルガン)の作品等で有名である。この曲は、フラ
ンク、64才の時の作品である。4つの楽章で構成されており、第1楽章が静かで穏やかなので、作曲当時のフラ
ンクの境地を表わしているようであるが、一転して、第2楽章は、情熱の炎を燃やす若者の心情を表現しているよ
うな音楽に変わる。第3楽章は、また穏やかな音楽になるが、情熱を秘めていて、楽章の終わりにその高揚感が一
気に高まる。終楽章は、一度聴いたら絶対忘れないあの美しい旋律が繰り返され、さらに燃焼し、心地良い響きを
残して終える。最初、私は、パールマンとアシュケナージの演奏を聴いていたが、パールマンの明るい音色が前半
の2つの楽章に合わないように思い、録音は古いが、ティボーとコルトーが共演した演奏を聴くようになった。た
だ、後半の2つの楽章にある高揚感はパールマン盤の方が優れていると思う。パールマンは、サンダースとのクラ
イスラー小品集やプレヴィンと共演したメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のレコードがあり、この2つのレ
コードは、一時よく聴いた。最近、パールマンのオリジナル盤を購入したので、じっくりと味わっているところで
ある。