モーツァルト●弦楽五重奏曲第3番ハ長調K515 同第4番ト短調K516
 
モーツアルトは、弦楽五重奏曲を6曲作曲しているが、31才の頃に作曲された第3番・第4番が特にすぐれてい

る。第3番は、明快で、澄んだ響きのモーツァルトらしい作品である。一方、第4番は、暗澹とした状態からの脱

出しようとするモーツァルトの苦悩・葛藤が感じられる、モーツァルトにしては、珍しい作品といえる。モーツァ

ルトは、短調の作品に心を強く揺さぶるような作品をいくつか残しているが、私はこれらの作品の全てを興味深く

聴かせてもらっている。とは言っても、最初から最後まで、拷問のように暗い旋律が流れるわけではなく、要所要

所で翳りを持たせるのである。第4番も、第3楽章などは暗い旋律はなく、美しく叙情的な旋律に終始するし、全

体的に見て明るい部分も多い。第3番の愛聴盤は、バリリ四重奏団とヒューブナーが共演したもの。しかし、ブタ

ペスト四重奏団とトランプラーが共演したレコードやスメタナ四重奏団とスークが共演したCDも以前よく聴いた。

第4番は、ブタペスト四重奏団とトランプラーが共演したもの。そう言えば、このレコードは、6曲のセットもの

を水道橋のライエルマンという中古レコード店で今から7年前に購入した。レコード・マップにないが、どうされ

ているのだろうか。

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