モーツァルト●ピアノと木管のための五重奏曲変ホ長調K452
ベートーヴェン●ピアノと木管のための五重奏曲変ホ長調作品16
 
モーツァルト、ベートーヴェンという二大作曲家が、同じ楽器編成、同じ3楽章、同じ調性で、曲を作っている。

もちろん、後で曲を書いたベートーヴェンが、モーツァルトの曲をまねて作曲したものと思われる。モーツァルト

28才、ベートーヴェン27才の作品で年齢差はほとんどないが、私の印象では、モーツァルトの作品は充分に考

え尽くされ、熟練した作曲技法を楽しめる名曲であるのに対し、ベートーヴェンの作品は作品16とある通り、初

期の作品で、ベートーヴェンの独自の世界を作っていない。とは言え、美しい旋律にあふれ、モーツアルト同様、

楽しい作品になっている。共にピアノの作品に充実した作品が多く、この作品はさらにオーボエ、クラリネット、

ホルン、ファゴットという管楽器が加わるのだから華やかなことこの上ない。私は、長年、ギーゼキング他のレコ

ードを聴いてきたが、へブラー他によるレコードも聴いてみたい。ベートーヴェンは、他に、交響曲第2番やピア

ノ協奏曲第2番等もモーツァルトの影響を強く受けていると思われるが、ベートーヴェンらしさが見られず、平凡

な作品になっている。

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