モーツアルト●ピアノ三重奏曲第3番変ロ長調K502
モーツァルトのピアノ三重奏曲は7曲あるが、チェロがピアノやヴァイオリンと同様に活躍しないので、低音が物
足りなく、バランスに欠けるとよく言われる。私も、第3番をジャン・フルニエ(チェロの名手は、ピエール・フ
ルニエ、念のため)、ヤニグロ、スコダのレコード(ただしこのレコードでは第2番になっている)で聴くくらい
であるが、この演奏は本当に美しい。ウエストミンスターのオリジナルに近いレコードで聴くからか、スコダのピ
アノの音が美しく澄んでおり、ヤニグロ、フルニエも個性豊かに演奏している。ウエストミンスターから、この3
人の他に、ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団、バリリ四重奏団、クラリネット奏者のウラッハを中心にした
室内楽曲、指揮者のシェルヘンによるオーケストラ作品等のレコードがたくさんでているが、最もすばらしいのは、
ウラッハ他によるモーツァルトのクラリネット五重奏曲であろう。他に、室内楽は、どれも一聴の価値のあるもの
ばかりであるが、一つだけ例外があった。どうしても好きになれないレコードが一つ。それは、シューマンのフ
ェアリーズ・テール(おとぎばなし)他のレコード。多分、オリジナル盤で、ウラッハも参加しているが、面白く
ないのである。