モーツァルト●ヴァイオリン・ソナタ第40番変ロ長調K454
モーツァルトが活躍していた当時、ヴァイオリン・ソナタの主役はピアノでヴァイオリンは伴奏だった。そこで、
モーツァルトのヴァイオリン・ソナタは、モーツァルトの音楽を熟知しているピアニスト中心の演奏で聴きたい。
全集ではないが、ハスキルとへブラーが、ヴァイオリン・ソナタ集を出している。ハスキルは、グリュミオーと
6曲録音している。一方、へブラーは、シェリングと16曲を録音している。共にフィリップスから出ており、プ
レミアム盤で聴けば、かなりよい音質だと思う。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタの中で好きな曲を1曲あげ
るとすると、第40番になる。第1楽章の躍動感、第2楽章の感傷的になれる静寂、第3楽章の美しい旋律の連続
は、内容的にもすばらしいものである。残念ながら、ハスキル、へブラー共に、日本盤しか持っていないため、音
が不満である。オリジナルに近いものなら、ピアノの音がもっときらきら輝いて、ヴァイオリンのかすかな音まで
聴き取れるのにと思っている。それで、今のところ、オイストラフがヤンポルスキーと共演したレコードを聴いて
いる。ピアノに少し不満があるが、やはりオイストラフの演奏はすばらしい。