シューベルト●八重奏曲へ長調D803
ベートーヴェンの七重奏曲と同じ曲想を持つ作品を書くようにと、委嘱を受けたシューベルトが27才の時に作曲
したこの曲は、楽器編成についてもヴァイオリンが増えるだけである(他の楽器はベートーヴェン七重奏曲のとこ
ろを参照のこと)。曲のイメージも明るく、シューベルト特有の流麗な旋律も随所に見られる。最初、「レコ芸音
楽史講座」で洗練の極みとも言うべき名演と称えられていた、ウラッハ、ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団
他のウエストミンスター盤を購入したが、いまひとつの演奏で好きになれず、今では、ほとんど聴かなくなった。
愛聴盤は、メロス・アンサンブルが演奏したもの。肩の力が抜けていて、シューベルトの流れるような旋律が、心
地良く聴ける。ウエストミンスター盤は、確か、2万3千円したが、演奏にかたさが目立ち、録音も余り良くない
と感じた。メロス・アンサンブルのレコードは、その4分の1位の価格だったが、耳に心地良い、飽きの来ない
演奏である。お金をかければ、必ず、良いものが手に入るとは限らない。それは、全ての商品についていえること
であるし、中古レコードについても同様のことが言える。