シューベルト●弦楽五重奏曲ハ長調D956
 
シューベルトの最晩年の傑作である。この曲の他に遺作と呼ばれているものに、ピアノ・ソナタ第21番と「白鳥

の歌」があるが、どの曲もしんみりとした気持ちにさせる名曲である。楽器編成は、ヴァイオリン2、ヴィオラ1、

チェロ2で演奏されるが、一般の弦楽四重奏曲と比較して、チェロが1台多い分、低音が充実しており、重厚な

ものになっている。最初、ヨーヨー・マ他の演奏でこの曲を聴いていたが、現在の愛聴盤は、ガザルス、スターン

他による演奏のレコードである。マは、今では押しも押されもしないチェロ界の第一人者となったが、レコードが

ほとんどないので、アナログ・ファンの私は、彼の演奏を聴く機会は少ない。それでも1980年代前半に録音し

た、ベートーヴェンのチェロ・ソナタ全集は、すばらしい演奏で一時よく聴いた。この曲のマのレコードもエネル

ギッシュで傾聴に値するレコードであるが、やはりカザルス盤の方が優れている。スターン、シュナイダー(以上

ヴァイオリン)、カザルス、トルトゥリエ(以上チェロ)、カティムス(ヴィオラ)による演奏であるが、5人の

名演奏家による演奏は、白熱した演奏で、シューベルトの名曲の魅力を余すところなく聴かせてくれる。

 

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