プッチーニ●歌劇「ボエーム」
 
同じアパートに住む、若い男女がふとしたことから知り合い、相愛の仲になる。お互い貧しいが、寸暇を惜しんで

会い、愛を深めていく。しかし、病魔は既に彼女の身体をむしばんでおり、やがてつらい別れの時がやって来る。

男はあまりの悲しみから、愛する女性の名を叫ぶ。これは、典型的な悲恋の物語である。そして観客を惑わすとこ

ろがなく、安心して男ならロドルフォに、女ならミミに感情移入できる。もちろん、サブ・ストーリーとしてムゼ

ッタとマルチェルロの恋愛もあるので、そちらも楽しむこともできる。ミミは、男性にとって私が守ってあげない

とという気持ちにさせる、か弱い女性である。そして、守ってやろうと決心したロドルフォを頼ってくれる。今で

は少し古めかしい感じがする男女関係ではあるが、弱い立場にある者を精神的にゆとりのある者がかばうのは昔も

今も変わらないと思う。愛聴盤は、ミミがテバルディ、ロドルフォがベルゴンツィ、指揮がセラフィン、オーケス

トラがローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団、ジャケットは極彩色の油絵具を塗りつけたパレットのデッカ盤。

 

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