プチ小説「いちびりのおっさんのぷち話 あと少しで千話編」
わしがちいこい頃は、平日と土曜日の晩に「スター千一夜」という番組があって、内容は余り覚えとらんが、千という大きな数字を初めて見て、千というのが百の十倍で物凄い数やなと思うたもんやった。というのもその頃わしは小学生やったから、2桁がせいぜいで、3桁ちゅーたら、指も歯も目玉も鼻の穴も他の穴の数を全部足しても百にならんのに何と多い数なんやと気が遠くなったもんやった。千がそんなものごっつう大きな数字やのに、船場が片手間に(プロでもないのに)始めたプチ小説が、これを入れんであと11話で千になるというのを聞いた。アイデアが枯渇せーへんかったことには敬意を表するけど、還暦を過ぎてもまだ大作を書かんとこじんまりとした小説で船場が喜んでいるのを見て歯がゆく思うんやが、船場はあまりそのことを気にしとらんようや。船場のことやから、褒め讃えられて、原稿の依頼が来たら、力の限り頑張って長編小説を書くのやろうと思うんやが、この調子やったら、1001番目のプチ小説、1200番目のプチ小説と書き続けて、長編小説とは一生縁がないのかも知らん。このプチ小説には、スキンヘッドのタクシー運転手鼻田さん、「青春の光」の橋本さんと田中君、N先生、森下のおばちゃんなんかが出て来るんやが、1000番目のプチ小説を書くまでにそれぞれが登場する小説を1回くらいは書いてほしいと思うんや。それから最近やっとらん座談会もやりたいんやけど、船場はどう思っとるんやろ、聴いてみたろ。おーい、船場ーっ、おるかー。はいはい、にいさん、おひさしぶりぶりです。ぶりぶりちゅーて、人をへーみたいに言うてからに。そやけど、ホンマのところはよくぞこんな目出たいときに、わしを一番最初に呼んでくれたちゅーことなんや。そんなに感謝してもらえると嬉しいのですが、偉業をなした人の1000こめの小説と、仕事をしながら趣味として書かれた1000の小説では世間の評価は大きく違います。前者だったら、ギネス記録とか何かの表彰の対象になりますが、後者つまりぼくの場合ですが、勿論誰にも喜んでもらえませんし、単なる通過点ということで終わってしまいそうです。やっぱり、そう言うと思っとった。船場の場合は自己卑下して悦に入るという卑下自慢という磯じまんの親戚やから、誰かがその誤った考え方を正さなあかんと思うたんや。ほいでー、かっこだけでもええから、なじみの人らに登場してもうて、船場を元気づけてもらおと思うたんや。1000回も頑張ったんやから、ここは無礼講でも何でもやってええんやと開き直って、馴染みの人らと一緒に陽気に明るく好きにやったらよろし。でも、そんなに張り切ったら、千回を過ぎるまでに燃え尽きてしまうんじゃないですか。そら、お前間違っとる。船場は、昨年3月に『こんにちは、ディケンズ先生』第3巻、第4巻を出版してから、感染症が猛威を振るったせいで、活動らしきものを全然しとらん。それやのに船場は毎週木曜日は餃子の王将富田店で餃子2人前と焼きそばが中華飯を食べとる。おかげで10月にはポイントが貯まって餃子時計をゲットしよった。週末はコストパフォーマンスがええちゅーて餃子3人前を近くのスーパーで買うて食べとる。それから最近自分でランチ(自分で作ったランチのページ)を作っとって、これも味はどうか知らんが栄養たっぷりの料理や。そんなもんばっかり食うとるから、最近船場は初老太りしとる。そんなけ燃焼できるお肉がようけ備わっとったら、今の生活を続けとる限りはあと100年くらいは活動できるやろ。そうですか、ありがとうございます。で、どうなんや、鼻田さん、橋本さん、田中君を出してくれるんか。ぼくもいちびりさんも含めてみなさんのおかげで楽しい人生を送らせていただいているのですから、慰労させていただく為に何かをしたいと考えています。もちろん、「たこちゃんの○○」「青春の光」「こんにちは、N先生」「耳に馴染んだ懐かしい音」なんかをもう一つ書いてみたいですが、他にも1000になる前に何か楽しいことをしたいと思っています。そうか、どんなことをするか楽しみやな。わしらも協力するからいつでも言うてや。わかりました。